よりそうのお坊さん派遣サービス”お坊さん便”の評価と口コミを現役住職が考察

お坊さん・僧侶派遣サービス

※2024年2月25日 記事更新

よりそうお葬式が行っている住職・お坊さん派遣サービス、お坊さん便

お葬式や法要にかかる費用のうち、お布施の額が占める割合はかなり大きいですよね。

そんな中、定額で住職の派遣が可能で、菩提寺との付き合いがなく、後々お寺との関係を続けていくのが大変そうと考えている方にとって、お坊さん便はまさに最高のサービス。

しかし、住職派遣ってどんなお坊さんが来るかわからないし、本当に大丈夫なのか、こんな疑問や不安が出てきませんか?

■お坊さん便で来る住職は色々な意味で大丈夫?
■記載されている料金以上に費用がかかることはないの?
■お坊さんを定額で派遣・・・倫理的にどうなの?

ぼーさん
ぼーさん

そこで、現役の住職がお坊さん便について、同じお坊さんという立場と経験から考察していきます。

この記事を読むと
  • 安心してお坊さん便を頼むことができ、費用も抑えられる
  • お坊さん便が寺の住職から見てどのようなサービスなのかが分かる
  • お坊さん便の本当の評価と中身がわかり失敗をしない

このサイトではアフィリエイト広告を利用しています。

お坊さん便とは

お坊さん便とは
  • お葬式や法事に定額でお坊さんを派遣できるサービスです

ご葬儀や法事にお坊さんを派遣するお坊さん便は、株式会社よりそうが2013年から提供するサービスです。

「お寺と縁が薄い方へのご供養機会の提供」を目指しており、料金が一律で一般的にかかるお布施より圧倒的に費用が安く、お寺との関係が苦手、関係が薄いという方にはまさにうってつけのサービスです。

お坊さん便でできる事

  • 通夜・告別式・火葬を含む葬儀式での読経を含む法要
  • 49日、1回忌、3回忌など年忌法要
  • 戒名授与
  • 納骨(開眼供養など)

お坊さん便の特徴

  • 日本全国のどこからでもお坊さんの手配ができる
  • お布施は定額で、御車代や御膳料も込み
  • 仏教各宗派に対応可能
  • 手配される僧侶との関係は続ける必要がなく、檀家にならなくてもいい
  • 業界初の法事・法要の手配をAmazonからも依頼が可能(現在利用不可)
  • 支払方法が現金払い・クレジット払い、後払いの3つの中から選べる
  • コロナ禍で電話法要が可能
ぼーさん
ぼーさん

株式会社よりそうでは、僧侶手配サービス『お坊さん便』を2015年12月8日よりAmazon.co.jpにて出品開始しました。

これにより、アマゾンでもお坊さん便のチケットを購入、利用することが可能となりましたが、宗教者や宗教行為をECサイト上で“商品”として扱うことに抗議していた全日本仏教会との話し合いの結果、2019年には、アマゾン出品サービスの停止となりました。

お坊さん便のメリットとデメリット

お坊さん便のメリット

よりそうお坊さん便のメリット
  • 菩提寺やお寺との付き合いがなくても葬儀を依頼できる
  • お布施の料金が一定で、追加の心配がない
  • お寺の檀家になる必要がなく、今後の付き合いを考えなくていい

よりそうお坊さん便メリットは、安価でお坊さんを派遣できることはもちろん、檀家として菩提寺との関係を持たなくてもいい点に尽きます。

お葬式や法要で一番気を使うのが、この菩提寺との関係。

普段から付き合いがあるならまだしも、実に8割以上はこういった法事の時のみの付き合いなので、菩提寺側が生前の故人の事をよく知らないような関係も当然あります。

そんな関係ですから、当然お布施の額や対応に気を使ったりしてしまいますよね。お坊さん便を利用することで、このような問題は一気に解決します。

お坊さん便のデメリット

お坊さん便のデメリット
  • お坊さんとの関係がとぎれとぎれになるため、法要の度に説明が必要
  • 倫理的にお坊さんを派遣するというサービスへの理解が少ない
  • 派遣されるお坊さんとの相性は会うまでわからない

よりそうのお坊さん便のデメリットとメリットは表裏一体です。

メリットである、お坊さんとの付き合いをしなくていいという反面、「その場だけの付き合いというのはなんかさみしいな・・・」と感じる方もいるはずです。

この辺りは価値観にもよりますよね。

また、お坊さんを派遣するといった行為自体が仏教の教えに対しておかしい、といった意見も数多くあり、この点が親戚に理解してもらえないといった声も耳にします。

また、この住職派遣サービスの性質上、どのようなお坊さんが来られるのかは当日までわかりません。この辺りも不安になる要素とも言えます。

ぼーさん
ぼーさん

デメリットはあくまで“感情的・倫理的”なものであり、サービス自体のデメリットとしては、メリットの方が大きいというのが個人的見解です。

お坊さん便と一般のお坊さんの料金を比較

ぼーさん
ぼーさん

それでは、よりそうのお坊さん便の料金と、一般的な菩提寺のお坊さんのお願いした場合の料金を比較しながら見てみましょう。

直葬・火葬式の場合

項目お坊さん便一般のお坊さん
料金5,5000円120,000円~200,000
お勤め1日1日
炉前読経
戒名授与※別途20,000円~※別途200,000円~
お車代※別途5,000円

一日葬の場合

項目お坊さん便一般のお坊さん
料金8,5000円100,000円~200,000円
お勤め1日1日
告別式読経
初七日読経
炉前読経
戒名授与※別途20,000円~※別途200,000円~
お車代※別途5,000円
御前料※別途3,000円~5,000円

家族葬・一般葬の場合

項目お坊さん便一般のお坊さん
料金160,000円200,000円~500,000
お勤め1日1日
告別式読経
初七日読経
炉前読経
戒名授与※別途20,000円~※別途200,000円~
お車代※別途5,000円
御前料※別途3,000円~5,000円

法要

項目お坊さん便一般のお坊さん
料金35,000円30,000円~50,000円
読経
お車代※別途5,000円
御前料※別途3,000円~5,000円

戒名

戒名料金一般のお寺
信士・信女、釋・釋尼20,000円100,000円~500,000円
居士・大姉、院信士・院信女、院釋・院釋尼60,000円500,000円~800,000円
院日信士・院日信女160,000円800,000円~
院居士・院大姉200,000円1,000,000円~

一般のお寺と比べると大きな差が出るのが、この戒名の料金。

最近では、こうしたサービスが増えたこと、適正な料金への見直しなどを理由に、料金を大幅に下げるお寺もいるようです。

お坊さん便の料金と追加料金がかかる場合

ぼーさん
ぼーさん

お坊さん便では、全国一律の料金となっているため基本的に追加料金がかかることはありません。

しかし以下の場合、例外的に追加料金が発生する可能性があります。

お坊さん便に追加料金が発生する場合
  • 法要の場合、会場から墓地への移動する場合移動毎に10,000円の追加料金が発生する
  • お気持ち後払いで、規定の額より多く支払う可能性がある(ただし、依頼者側の気持ちによる)

法要で追加料金が発生する例

お坊さん便は、基本的に明記されている金額にすべてのサービスが含まれているため、追加料金は発生しませんが、1点だけ注意するべき点があります。

それは、法要において法要の会場から墓地への移動をすると、移動する毎に10,000円の追加料金が必要となる点です。

お気持ち後払い

従来の現金払い、クレジットカード払いに加えて、お坊さん便に追加された「おきもち後払い」というサービスがあります。

「おきもち後払い」には、2つの特徴があります。

  • 法事、葬儀などを終わった後に「後払い」で支払う
  • 定めた金額を下限として、一定の範囲で「上乗せ」して支払うことができる

このお気持ち後払いは、強制的に追加される料金ではありませんが、こちらの気持ちで上乗せをするとなると、追加料金という形になります。

よりそうお坊さん便の返金保証サービス

お坊さん便は、上記したようなトラブル事例がありますが、万が一サービス内容に満足ができなかった場合、よりそうメンバー加入者に限り、返金保証が受けられます。

返金の方法
  • お坊さん便を利用し、施行の翌日から5日以内に窓口に連絡をします。
  • 申請から14営業日以内に指定口座にて振り込み返金されます。※営業日によって多少前後します。

返金保証は、自社のサービスへの絶対の自信、依頼者側の安心感、施工側にとっての緊張感ともなるので、双方によい効果があると考えます。

お坊さん便をお願いしようか迷っている方に対しては、この保証はありがたいですよね。

よりそうメンバーは無料でなることができるので、ぜひ登録しておきたいところです。

お坊さんの評価と口コミ

高評価の口コミ

★★★★★5.0 

色々言われていますが、お願いした結果よかったと思いました。
御先祖の供養をするのにお金のことで気をもんで悩むより
明朗会計で気持ちよく対価を払ったほうが終わった後も清々しい気持ちになりました。

★★★★★5.0 

最初は大丈夫かな?と思ってましたが49日、初盆と利用しました。同じお坊さんに来ていただき、大変満足しました。10月は納骨をもお願いしようと思います。

低評価の口コミ

★☆☆☆☆1.0 

父の初盆に仏壇と位牌の開眼供養をお願いしました。娘の私がアマゾンで依頼しましたが、若いお坊さんは、喪主の名前を母ではなく私の名で読経してました。ちゃんとそこは説明してあったので、失礼すぎると思いました。一周忌もありますが、お坊さん便に頼むのは抵抗があります。

★☆☆☆☆1.0 

世も末です。とうとうお坊さんも、商品になり、商売の手段になってしまったというかんじ。きちんとした、資格を持たない形だけの偽物もいるみたいで、世の中、なんでも、簡素化、形式だけ、物だけの世界になったという感じです。手軽で格安で人気があるみたいですが、こころが失われた 葬儀や法事はそんなもんじゃないだろうという感じです。

住職が気になった評価と口コミ

★★★☆☆3.0 

檀家の繋がりが無かった母の四十九日法要で利用しました。不安でしたがきちんとしたお寺のお坊さまに来ていただけました。

提供サービスとして安心して利用できると思いました。
こちらから依頼しておいてはなんだけどそもそもこの断片的でリーズナブルなセレモニーは必要なんだろうか?死者を弔う方法はこういうのでなくてもいいのではないか…などといろ考えさせられました。

来られたお坊さまはとても感じの良かった方でした。ただ次に繋がるような話は一切無かったので次回に頼むとまた別のお坊さまが来られるんだろうな。

ぼーさん
ぼーさん

お坊さん便については、基本的に高評価が多いようですが、あえて低評価のものも載せてみました。

どちらも色々な理由がありますが、気になったお坊さんを商品化することへの倫理観を問う口コミです。

こういった考え方については、住職の個人的見解も記事下で解説しています。

お坊さん便の高評価・低評価をそれぞれまとめると・・・

お坊さん便の高評価の理由
  • 料金が分かりやすく、お布施の額が決まっている分割り切れる
  • その場限りのお坊さんなので気を使う必要がない上、対応がよかった
  • 対応がよく、読経、説法などきちんとやってくれた
お坊さん便の低評価の理由
  • お坊さんの対応が悪かった
  • 運営のよりそう側との連絡の行き違いがあった
  • お坊さんを商品にしている事への嫌悪感

お坊さん便とトラブル事例

ぼーさん
ぼーさん

続いて、お坊さん便であったとされるトラブル事例をまとめてみました。

僧侶派遣でやってきたお坊さんにしつこく勧誘された

お坊さん便では、登録の際にしつこい勧誘などはしないようにと契約書にも明記しており、来られたお坊さんはその事の重要性を理解せずに布教をしてしまったそうです。
依頼されたお客様への謝罪をしてお坊様へ厳重注意を行ったそうです。

 お坊さんが供養する故人の名前を間違えた

故人の三回忌の法事で俗名を間違えて読み上げてしまった事例です。
こちらは、実はお坊さんのミスではなく、事前にメールで送られてきた属名を間違って送ってしまった、よりそう側の手違いだったそうです。
この件については、謝罪を行い、もう一度法事を執り行ったそうです。

 依頼したお坊さんが当日に来なかった

法事をお願いしていたのですが、お坊さんが現れなかった事例です。お坊様は法事があったことを忘れて同日に違う所の法事を行う場所まで向かっており、依頼された方の法事には出る事が出来なかったそうです。
そんなことあるのでしょうか・・・

この場合は、運営側から1時間前の確認の連絡が来ることになっていたそうですが、そのことも忘れていたという二重のミス・・・

結局、お客様の強い要望(当日に執り行いたい)でほかのお坊さんに行って頂きました。

 本物の僧侶かどうか疑わしい方が派遣されてきた

派遣されてきたお坊様が来て、供養の読経を始めたのですが、お経が所々途切れて読経が止まってしまったりして最後には戒名まで間違えて読み上げたそうです。

不審に思い、運営側に尋ねたところ、派遣しているお坊様はしっかりとした僧侶資格を持っており寺院にお住いの住職だったということですが、お経を間違えて読んでしまったそうで、最終的には違うお坊さんにお願いをしてもう一度法事を行ったそうです。

ぼーさん
ぼーさん

これらのトラブル事例は、あくまでインターネット上のものであり、その真偽のほどはわかりませんがあえて載せてみました。
しかし、こういった事例が世に出ている事に対しての対応として、寄り添う側が【返金サービス】などを行っている点に誠実さを感じます。

お坊さん便については、低評価やそういった口コミも散見されますが、あくまでインターネット上のものです。

しつこく勧誘するなどの行為は基本的にはご法度とされているため、かないレアなケースと言えるでしょう。

またお坊さんが来なかった、偽物のお坊さんが現われたということは、サービスの存続に関わるになりかねないので、信用性に欠けます。

お坊さん便の戒名授与

次にお坊さん便の戒名について、一般の料金と比較しながら紹介します。

ぼーさん
ぼーさん

お坊さん便では、戒名の授与を受けることができます。

一般的にこの戒名で高額な料金がかかりますので、定額なのは安心ですね。

戒名お坊さん便の料金一般の料金
信士・信女、釋・釋尼20,000円300,000円~
居士・大姉、院信士・院信女、院釋・院釋尼60,000円500000円~700,000円
院日信士・院日信女160,000円800,000円~1,000,000円
院居士・院大姉200,000円1,000,000円~
戒名の料金比較一覧
ぼーさん
ぼーさん

上記はあくまで一般的な料金ではありますが、このような料金より安い、高いはお寺に寄り切りということは付け加えておきます。

戒名は宗派によって料金が変動する上、さらにお寺によっても料金が変わるのは、お坊さん便も一般のお寺も同じ。

お寺の場合、お寺側の匙加減といった具合になってしまうので、その点が不信感につながってしまうのかもしれません。

住職から見たお坊さん便

お坊さんを気軽に派遣でき、その後の関係の事も考えなくていい、まさにいいことづくめだと感じられた方も多いのではないでしょうか。

そんな、よりそうお坊さん便について、現役住職の視点から感じる点は以下の五つ。

■現代のニーズに合った新しいサービスではある
■お坊さんを商品化することに若干の違和感を覚える
■葬儀、法要でお寺と付き合いがあるからこそのメリットもある

■結局のところ依頼する側の目的が大切
今後どうなっていくのか少し怖い・・・

確かに現代のニーズにあったサービスという反面、お坊さんの商品化、倫理観の是非など、難しい面も持ち褪せています。

これは、長年続いた寺と檀家の繋がり、つまり檀家制度の名残が色濃く残っている象徴でもありますが、現在この檀家制度は制度として機能しているわけではありません。

あくまで、故人と寺側との約束のようなものなので、制度と呼ばれるような法的な縛りがあるわけではないのです。

そうなると、結局は、依頼する側が納得するなら倫理観や親族の目は気にする必要はないと言えます。

「おきもち後払い」の導入により、「仏事に対するお礼、供養や信仰への想いから費用と別途お布施を渡したい」という気持ちを、上乗せした金額で表すことができます。

気持ちに応じた金額を包むことができるので、より一般的なお布施に近づいたと言えるでしょう。

今後、さらに高齢化や檀家制度が崩壊していく中で、お坊さん便のようなお坊さん派遣サービスは増えていくでしょうし、サービスへの理解も深まっていくことでしょう。

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