小さなお葬式で葬儀をしようかと考えた時、実際に利用したら高額になるんじゃないだろうか、口コミやクレームのように後悔したり、親族との関係も悪くなってしまわないかと不安になりますよね。
- 住職が小さなお葬式を実際に利用して感じたメリットや経緯
- 小さなお葬式をした場合の親族や周囲の反応
- 小さなお葬式に実際にかかった費用と追加料金がかかった実例
実際に小さなお葬式をした感想
葬儀会社のレベルは期待以上に高く、費用はかなり安くなります。
結論を言うと、口コミのある【最悪】だというトラブルや追加料金はあまりありませんでしたが、思ったことを書きます。
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※2024年2月23日追記
小さなお葬式を利用した経緯
ここからは、実際に私が小さなお葬式を利用した体験談をまとめてみました。
1、小さなお葬式を依頼した経緯
小さなお葬式を利用した時期
小さなお葬式を実際に利用したのは、平成27年3月。
子供がいない叔父と叔母の世話を私が担っていて、その叔父のお葬式でした。
小さなお葬式に決めた理由
小さなお葬式に決めた理由は、叔父が亡くなる8年前に82歳で他界した叔母の遺言があったからです。その叔母のお葬式が「小さなお葬式」でした。
「二人の葬儀は質素で良い。親類は遠方に多いから、わざわざ葬儀のために遠くから来るのでは申訳ない。」
「静かに送ってくれれば良い。」
そして叔母の葬儀の後、叔父が「私の時もこんな葬儀で充分だぞ。」と遺言を残していました。
ご葬式前の小さなお葬式の印象
規模が小さい、簡素、だから料金が安い。そうなると葬儀会社のサービスの質も落ちるのは仕方ないだろう。
今まで送る側としてお仕えしてきたが、私の場合、叔父の遺言とは言え本当に父の葬儀は小さなお葬式で良いのかだろうか?と迷いがありました。
小さなお葬式のプランとプランのみの費用
【選んだプラン】 | 小さな一日葬 |
【かかった費用】 | 328,900円 |
【追加費用】 | 式場費 |
【費用の総額】 | 685,456円 |
【お坊さんへのお布施(お坊さん派遣サービス【てらくる】を利用)】
お布施:90,000円
【市の式場】式場を変更
追加料金式場費:60,000円
【戒名】
戒名:200,000円
【雑費】
食事の飲み物代+雑費:6,556円
葬儀プランの金額は、「高い」というイメージがなく、金額の割には葬儀会社や担当者がこまめに対応してくれました。
叔父に縁があるお寺への「分骨」を希望していたので戒名をお願いしましたが、その料金が20万円。
高いか安いかではないのですが、葬儀をお願いする立場で考えて、お葬式総額の三分の一が戒名代・・・。うーん・・・これは大きな負担だなと感じた瞬間でした。
小さなお葬式への参列人数と参列者
参列人数:10人
参列者:私、父、妻、長女、次女、長男、叔父、叔母、甥、姪
葬儀会社に対しての印象
小さなお葬式側から紹介されましたが、口コミを見たかったので、近場の提携葬儀屋さんを自分たちでインターネットで探しました。住所が自宅に近い事で選びました。
葬儀会社を決めて、打ち合わせに当日担当者は、一人。
- 亡くなった日から対応してもらい、翌日には、死亡届などの書類の手配も手早くやってくれた
- 香典に対する返礼品が不足したときも、迅速に対応してくれた
- お寺に分骨する話をしたとき、わざわざ分骨用の骨壺を持ってきてくれた
- 分骨の骨壺代はサービスだった
トラブルや困ったこと、起こった問題
小さなお葬式と、葬儀会社の連携はよくできていて、大きな食い違いはありませんでした。ただ、あえて少し困ったことを3つあげてみます。
1、遺体の安置場所
12日に亡くなって18日に葬儀をするまでの間、自宅ではなく近くの指定の場所に安置されことです。毎日線香を上げに通いました。幸い、葬儀会社のご厚意で追加料金がかからなかったという珍しいケースでしたが、本来ならば数万円追加になっていたと思うと・・・
2、戒名費用
葬式費用約33万円に対して、20万円はやはり大きい・・・。
住職としてこのあたりは考えなければいけないな、と感じました。
3、意外にかかった雑費
位牌の注文やお世話になった病院や訪問介護の会社への挨拶の品、お墓の字彫り、納骨と49日の法要と食事代、お葬式後にも結構にお金がかかりました。
寺院派遣でご葬儀に来たお坊さん
お坊さんがお坊さんを呼ぶとは・・・派遣されたお坊さんも想定外だったことでしょう(笑)
理由としては、私達と宗派が違った事、叔父の意向、私達も経験してみたかったからです。
- 物腰が柔らかく、同業者から見ても大変丁寧だと感じた
- 曹洞宗のお坊さんだったので、永平寺の護美箱(ゴミバコ)と禅についての話を分かりやすくされた
護美箱の話はなるほどと感心でした。ゴミ箱はゴミを入れる、つまり「捨てる場所」ですが曹洞宗では「美しさを護る箱」ということで「ゴミを入れるのではなく、何のためにあるのか?それは各々違うはずです。」とのこと。
その護美箱を見たくて、後に夫婦で永平寺を訪ねた坊主です(笑)
納骨について
葬儀屋さんに納骨について相談したとき、「納骨と49日の法要を一緒にやってはどうですか?」と親戚に提案してもらいました。私があまりでしゃばるのもどうかなと考えていた時だったので、機転の利いた対応に助けられました。
ゴールデンウィークの始まりの4月29日に納骨し、5月3日〜5日に分骨をすることができました。葬儀と納骨の時のお坊さんは違いますが、こちらも良いお坊さんを手配してくれました。
住職派遣サービスは、近年様々な会社がサービスを充実しています。
一覧でまとめた記事がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
小さなお葬式後からのアフターフォローなど
叔父は教師だったので、葬儀が終わり、納骨と分骨を終えても香典やいろいろな品が各地から届きました。その返礼品について教え子の方から「どのようなお葬式でしたか、出席できずに残念です。」と電話をいただいたとき、「返礼品にプラスして、葬儀で撮った写真を送って上げてはどうですか?」と言われました。
葬儀屋さんの担当者は、私が写真を撮っていたことを覚えていたのですね。この機転の利いた対応にも感謝でした。
小さなお葬式を利用してよかった点
- 金額以上に親身になってくれたこと
- 細かい気配りが細部に見られた
- 設えの際に柔軟に遺族の要望に応えてくれた
- 葬儀会社側との連携がきちんととれていてトラブルがなかった
小さなお葬式を利用して悪かったと思う点
- 思った以上に料金が上がってしまった
- 戒名の料金が高かった
小さなお葬式での御葬儀について家族や親族の反応
基本的に祭壇は葬儀屋さんが手配してくれましたが、それ以外の飾り付けは私達の自由にさせてくれました。
私の子供たちは、長テーブルを借りてきて優しかった叔父のために生前に使っていたテニスのラケットや写真などを飾り付けました。葬儀の進行でもではなく子供がそれぞれに弔事を読みました。
妻の母には「良い家族葬だったね。孫に送ってもらって良かったね。」と言ってくれました。
叔父や叔母もさぞ喜んでいることだろう、と改めて小さなお葬式に感謝でした。
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